(8)長期的なポートフォリオ運用を心がける!
投資信託は、それ自体が分散投資効果を得られる運用商品です。しかし、それぞれのファンドの値動きは、すでに説明してきましたように、投資対象や運用方法によって、かなりぶれが大きいものも存在します。だからこそ「投資信託を買えば、それだけでリスク分散ができて安心」などと考えてはならないわけです。
例えば、日本株ファンドに投資する場合には、個別銘柄ひとつを選んで投資するよりも、通常はリスクが低減されますが、日本の株式市場全体が下落した局面では、その影響を免れることは極めて難しいでしょう。
もちろん、ひとつのファンドの中で日本を含む全世界の株式や債券などを対象にして、バランスをとりながら、投資を行なうタイプのファンドもあり、この場合はよほどの異常事態が発生しなければひとつのファンドだけで万全といえるかもしれません。しかし、実際には一社で投資対象となるマーケットすべてについて優れたアクティブ運用を行なえるという運用会社は、なかなか見当たらないものです。
いずれにしても、自分の金融資産のコア部分についての長期的な運用を考える場合には、値動きの異なる複数のファンドを組み合わせることによって、「分散投資」を行なうことが原則だということだけは忘れないようにしてください。
(完)