投資信託の選び方の基本についてはすでに8回に分けてご紹介しました。
今回からは、投資信託の選び方<実践編>と題して、実際に投資信託を選ぶ際のポイントについてご紹介していきたいと思います。
まずご紹介したいのが「投資信託選びのモノサシ」となる指標です。
投資信託の選び方<基本編>第1回「過去の実績(パフォーマンス)だけを見た判断は禁物!」の中で、「リスクとリターンのバランスがとれているファンドを選ぶようにすべき」と説明しましたが、覚えていらっしゃいますか?
この「リスクとリターンのバランスがとれているファンド」を選ぶモノサシをまずはご紹介したいと思います。
(1)投資信託選びのモノサシ:シャープレシオ
「リターンは高い方がいい!」
「リスクは低い方がいい!」
「ローリスク・ハイリターンのものはないのか?」
多くの投資家がこのように考えていることでしょう。
しかし投資の世界では、リスクとリターンの関係は「トレード・オフ」といわれます。
つまり、高いリターンをねらえばリスクも大きくなり、リスクが小さい安定的な金融商品を選べば低いリターンしか得られない、というものです。
このようなリスクとリターンの関係において、あくまで過去の数字での検証にはなってしまいますが、「より小さいリスクで、より大きなリターンを得られた」投資信託ほど、運用効率が良かった、運用が上手かった、といえます。
このどれだけのリスクをとって、どれだけのリターンを得てきたか、という運用効率の良し悪しを見る指標が「シャープレシオ」なのです。
シャープレシオは、ある期間においてとったリスクでどれだけのリターン(収益率)を上げたか、言いかえれば「1リスク当たりのリターン」を表します。
シャープレシオの値が大きければ大きいほど運用効率が良く、多くの人が望む「ローリスク・ハイリターン」を実現してきたといえるわけです。
(2)へ続く