「趣味としての投資」と「仕事としての運用」①

入門講座④の「投機と投資」の中で触れたのですが、デイトレーダーが行うような「投機」的な行動ではなく、中期あるいは長期の「投資」を行う場合でも、「投資」にはハラハラ、ドキドキがつきもの、というギャンブル的なイメージをお持ちの方が少なくないようです。

 

それは投資という言葉を聞いた時に、ある程度のリスク(投資の世界では値動きのこと)は覚悟の上で大きな利益を上げようという、投資スタイルを思い浮かべてしまう人が多いからでしょう。

 

そこで今回は、投資にはもともと2種類のスタイルがあり、そのいずれかによって全く異なる行動をとる必要があるということを確認しておきたいと思います。

 

証券会社やメディアからの情報や自分の相場観などを頼りに、値段を見ながら興味のある個別銘柄などに対して中期または長期スタンスで投資を行い、値上がりを楽しみに待つ投資スタイルを、私は「趣味としての投資」と呼んでいます。

 

この投資スタイルは、もともと趣味は楽しむものですから、それを面白いと感じ、ワクワクする人が行うのが一般的で、うまくいけば利益を得られますが、仮に損失を出したり、最悪ゼロになったとしても、趣味なので仕方ない、次回頑張ろうと諦めるしかないでしょう。

 

本来、趣味は旅行にしてもゴルフにしてお金を払って行うものが一般的だからです。

 

日本人で投資に興味を持っている人は、10人中1人か2人といった割合だと言われています。

 

 

一方、投資には、地道にお金に働いてもらいたい人が行う「仕事としての運用」とでもいうべき、もう一つのスタイルがあります。

 

こちらは投資を面白いとは感じない人でも、少なくともやり方だけは知っておくべきだと思うのですが、そんなスタイルがあるということを知らない人がほとんどで、実際に実行できているのはごく一握りの人たちだけというのが実状です。

 

具体的には、将来的に成長が期待できそうな投資対象に分散して長期投資を行うことで、途中で大きくマイナスにならないようにリスクをコントロールしながら資産形成を目指そうとするものです。

 

趣味ではなく仕事なので、将来のライフプランなどをもとに商品の組み合わせなどを考えてスタートしてしまえば、その後はあまりワクワクするようなことではなく、むしろ退屈で面白みのない運用ともいえるでしょう。

 

この仕事としての運用を行う人に求められるものは相場観や売買タイミングの判断ではなく、お金にしっかりと働いてもらうための「投資観」(後述)といえます。

 

私たちFPがお勧めし、アドバイスする投資は、この「仕事としての運用」の部分が中心となります。

 

お客様の立場からすれば、退屈で面倒な運用だからこそ、ある程度費用はかかってもプロである我々に任せる意味があるということにもなるでしょう。

 

ファンド・ラップでかかる年2%程度の手数料も、この面倒な管理や状況の報告にかかるコストといえます。

 

ファンド・ラップに1000万円投資すればファンドの信託報酬以外に毎年20万円程度を支払うことになります。

 

これらのコスト水準と比べれば、現状、弊社の場合には定額でFP顧問料として年間10万円(税抜)、またはFP会員の会費として年間3万円(税抜)を頂いていますが、安いと感じて頂ける場合も多いようです。

 

「趣味としての投資」と「仕事としての運用」の違い

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